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大学を卒業後、社会人になると同時に一人暮らしを始めた。とにかく金がなく、節約するために毎日自炊した。一人暮らしを始めるときに家具を一式買ったのだが、その多くを無印良品でまとめて購入した。そのときに買ったフライパンが数カ月でだんだん焦げ付くようになり、やはり安いものは駄目だな、と思うようになった(本当は無印良品の品質が悪い)。少ないお金で、長く使えるフライパンを新しく買おうと考え始め、いろいろ調べているうちに中華鍋の存在を知った。

中華鍋はとにかく万能で便利だ。鍋にもなるしフライパンにもなる。炒めたり、煮たり、焼いたり、茹でたり、蒸したり、あらゆる調理に対応できる。

プロの中華料理人が中華鍋を業務で使うと、数カ月で痛み新しく買い換えるらしいが、私はそこまで大したことはしないから、十分長く持つだろうと考えた。

そこで中華鍋をどこで買おうか迷ったあげく、当時住んでいたアパートが横浜だったので、横浜中華街の中にある青木商事というお店で、中華鍋の定番である山田工業所の製品を扱っていることがわかり、足を運んでみた。

中華街のなかほどに青木商事はあり、店先に並んでいる中華鍋をなんとなく見ていると店員さんが声をかけてくれ、サイズや種類などアドバイスしてくれた。結局その場で購入を決め、山田工業所の打出片手中華鍋を購入した。サイズは忘れたが30cmより小さいはず。持ち手は木製ではなく鉄のパイプが鍋にくっついているようなやつだ。木柄の方が便利そうに思えたが、店員さんが言うには、家庭で使う分にはそんなに熱くならないから大丈夫だよ、とのこと。熱かったら布巾を巻けば良い。値段は2,500円もしなかった気がするが、とにかくバカ高いものではなかった。

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火が通りやすいように、鍋の底より周囲を少し薄くすることで、プロも愛用するこだわりとなっている。柄には打出しの文字とサイズが刻印されている。この27サイズだと一人前の調理も簡単だし、3〜4人分ぐらいのチャーハンを作りにもちょうどよく対応できる。今はひとり暮らしだが、家庭を持っても使い続けたいという人にはぴったりだ。

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柄にはフックなどをひっかけられる穴が開いている。

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柄の付け根。家庭で使うぐらいで壊れることはない。しっかり溶接されている。

中華鍋を買うと、まず野菜のクズを炒めて、油をなじませて云々する必要がある。それはYouTubeや他の人のブログでいろいろ紹介されているので、気になる人はググッて欲しい。

実際に中華鍋を使ってみて、いつも買って食べている安い鶏むね肉が美味しく食べれるようになった。しかも無印良品のフライパンで炒めるといつもベチャッとなった野菜が、中華鍋で炒めるとシャキッとしたままなのだ。勝手な憶測だが、火の回りがよいから、安いアルミのフライパンで調理するよりも、遠赤外線がどうたらこうたらでなんか美味しく仕上がるのではなかろうか。とにかく買って良かったと当時感動したことを覚えている。 

あれから4年が経ち、もちろんいまでも調理の際はよく使用している。チャーハンはパラパラになるし、ラーメンを茹でるときに鍋がわりにできる。少量のお湯を沸かしたいときなら、普通のスープ鍋で沸かすよりも短時間で沸騰する。これからもずっと愛用していきたい。

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裏面はサビや擦り傷があるが、使用にはまったく問題ない。

一応書いておくと、中華鍋を火にかけている時間が長くなると、持ち手はやはり熱くなるので、 そういうときは布巾を巻いて対応している。それで十分である。

一人暮らしを始めるにあたり、料理をしたいという人には、まず中華鍋を一つ買っておくと良い、とアドバイスしたい。